玉掛ワイヤロープについて

slingwire

玉掛用ワイヤロープは荷物を吊り上げる時に使用します。荷物を吊上げるためにワイヤロープの端末加工をアイスプライス(編み込み)加工・圧縮止め(ロック)加工が用いられます。玉掛用ワイヤロープの加工方法は大きく分けて2種類あります。

この規格は,機械,エレベータ,建設,船舶,漁業,林業,鉱業,索道などに用いる一般用ワイヤロープについて規定する。

玉掛アミ込み(割り差し)

玉掛アミ込み(割り差し)

AMIKOMI WIRE

アイスプライス(編み込み)加工

ストランドをワイヤロープの間に差し込んでアイを作る加工方法です。差し込み回数はクレーン等安全規則 第219条にて定められています。特徴:出っ張りが少ないため、荷の下から引き抜きやすく加工部が柔軟である。

ワイヤロープの両端をアイスプライスする加工方法は、半差しのあるものと、ないものの2種類に大別され、両者の加工部外観は同じように見えても、よく見ると実際は違っております。すなわち半差しのあるものは国の法規によって決められたもので、半差しのないものは法規に制約されないものです。

両端アイスプライス

両端アイスプライス
割差し(本カゴ)

両端シンブル入り

両端シンブル入り
アイスプライス 割差し(本カゴ)

片シンブル片アイ

片シンブル片アイ
アイスプライス割差し(本カゴ)

片リング付き片シンブル方ワッパ アイスプライス 割差し(本カゴ)

片リング付き片シンブル方ワッパ
アイスプライス 割差し(本カゴ)

片リング付き両端シンブル入り アイスプライス 割差し(本カゴ)

片リング付き両端シンブル入り
アイスプライス 割差し(本カゴ)

片リング片フック両シンブル付き アイスプライス 割差し(本カゴ)

片リング片フック両シンブル付き
アイスプライス 割差し(本カゴ)

JISクランプワイヤロープ

JISクランプワイヤロープ

CLAMP WIRE

圧縮止め(ロック)加工

アイの首部に専用のスリーブを入れて、機械で圧縮する加工方法です。短時間で加工することができ、加工効率も安定しています。
特徴:加工効率(強度)が高い 編込みよりも短く仕上げることができる。

両端シンブル付き リングフック (TH)

両端シンブルなし
(SS)

両端シンブル付き

両端シンブル付き
(TT)

片端シンブル付き (TS)

片端シンブル付き
(TS)

両端シンブル付き リングフック (TH)

両端シンブル付き
リングフック
(TH)

YKCロック 玉掛けワイヤロープ

YKCロック

YKC LOCK

ワイヤ端末が手に引っかからない玉掛け

  • 通常のクランプワイヤロープに比べ肉薄長寸のクランプ管を使用。
  • 圧着部の直径あがワイヤロープ径の2倍。長さは5.2倍です。
  • 圧着後のロープの端末が出ていない。
  • 引っ掛かりがなく安全で使いやすい。

通常クランプワイヤロープ

通常クランプワイヤロープ

YKCロックワイヤロープ

YKCロックワイヤロープ
6×24裸(O/O)A種JIS4号(6㎜のみ6×19)準拠(安全係数6) 自重
吊本数 1本吊 2本吊 4本吊
吊角度 垂直 つり角 α≦30° つり角 α≦60° つり角 α≦30° つり角 α≦60°
ロープ径
(mm)
tf kn tf kn tf kn tf kn tf kn 1mkg m当りkg
6 0.30 2.9 0.57 5.5 0.51 4.9 1.10 11 1.00 9.8 0.21 0.131
8 0.53 5.2 1.00 9.8 0.90 8.8 2.00 19 1.80 17 0.36 0.212
9 0.67 6.6 1.20 12 1.10 11 2.50 25 2.20 22 0.48 0.269
10 0.83 8.2 1.50 15 1.40 13 3.10 31 2.80 27 0.59 0.332
12 1.20 11 2.20 20 2.00 18 4.50 41 4.00 37 0.98 0.478
14 1.60 16 3.00 30 2.70 27 6.00 60 5.40 54 1.35 0.651
16 2.10 21 3.90 39 3.50 35 7.90 79 7.10 71 1.85 0.850
18 2.70 26 5.10 49 4.50 44 10.20 98 9.10 88 2.45 1.080

ヒゲナシスリング

HIGENASHI SLING

ヒゲナシスリングワイヤ

ヒゲナシスリングワイヤは、第219条に基づく玉掛け(割差し)加工がされており、「ひげ」の部分はアルミ合金でプレス加工していますので手をけがすることなく安全に取扱いができます。

危険
  • 1本吊りは使用できません。荷が回転したり加工部(特に巻差しの部分)が抜けたりして危険です。
  • 吊り荷の重心判断・吊り方を誤らないよう十分ご注意下さい。
  • ワイヤロープひとより間において素線の10%以上が破線したものは破棄して下さい。
  • ロープ径の減少が公称径の7%を超えたものは破棄して下さい。
  • 著しく形崩れ又は腐食のあるものは破棄して下さい。
  • キンクしたものは破棄して下さい。
警告
  • 鋭い角度で曲げないように必要に応じ当物をして下さい。
  • 玉掛け累のアイ部の開き角度は60℃を超えないようにして下さい。
  • 腐食性雰囲気(酸・アルカリ等)及び、100℃を超える高温では使用しないで下さい。
  • 急激な衝撃荷重がかからないようにして下さい。
単位 kf:トン(安全係数6)
ロープ径
(mm)
2本吊り
30° 60° 90°
6 0.60 0.57 0.51 0.42
8 1.07 1.01 0.91 0.75
9 1.35 1.28 1.15 0.94
10 1.67 1.59 1.42 1.17
12 2.40 2.28 2.04 1.68
14 3.28 3.11 2.78 2.29
16 4.30 4.08 3.65 3.01
18 5.42 5.14 4.60 3.79
20 6.70 6.36 5.69 4.69
22 8.10 7.69 6.88 5.67
24 9.66 9.17 8.21 6.76
26 11.30 10.70 9.62 7.92
28 13.10 12.40 11.10 9.18
30 15.00 14.30 12.30 10.50
32 17.10 16.30 14.50 12.00

リング・フック付き玉掛けワイヤ

荷物の重さや形状から最も適切なワイヤスリングを制作。
ワイヤの種類・径・長さ・吊り本数、フック・リングの種類をご提案いたします。

2本吊りクランプワイヤ

両端シンブル片端フック付き(PH2)の場合

2本形クランプワイヤ
2本形クランプワイヤ

3本吊りクランプワイヤ

両端シンブル片端フック付き(PH3)の場合

マスターリンク付き(PH4)
3本形クランプワイヤ

4本吊りクランプワイヤ

両端シンブル片端フック付きの場合

マスターリンク付き(PH4)

玉掛索の安全荷重表

safe load table

安全荷重表

kf:トン kN:キロニュートン (安全係数6)
6×24 裸(%) A種 JIS 4号 準拠
吊本数 計算基礎荷重 2本吊 2本4点あだ巻きつり
3本3点つり、4本4点つり
吊角度 垂直 吊角α≦30° 吊角α≦60° 吊角α≦30° 吊角α≦60°
mm kN tf kN tf kN tf kN tf kN tf kN tf
6 2.95 0.301 5.9 0.6 5.6 0.57 5 0.51 8.2 0.84 7.3 0.75
8 5.26 0.536 10 1 9.9 1 8.9 0.91 14 1.5 13 1.3
9 6.65 0.678 13 1.3 12 1.2 11 1.1 18 1.8 16 1.6
10 8.21 0.838 16 1.6 15 1.5 13 1.4 22 2.3 20 2
12 11.8 1.2 23 2.4 22 2.2 20 2 33 3.3 29 3
14 16.1 1.64 32 3.2 30 3.1 27 2.7 45 4.5 40 4.1
16 21 2.15 42 4.3 39 4 35 3.6 58 6 52 5.3
18 26.6 2.71 53 5.4 50 5.1 45 4.6 74 7.5 66 6.7
20 32.8 3.35 65 6.7 62 6.3 55 5.6 91 9.3 82 8.3
22 39.8 4.05 79 8.1 75 7.6 67 6.8 111 11.3 99 10.1
24 47.3 4.83 94 9.6 89 9.1 80 8.2 132 13.5 118 12
25 51.3 5.23 102 10.4 97 9.9 87 8.8 143 14.6 128 13
26 55.5 5.66 111 11.3 105 10.7 94 9.6 155 15.8 138 14.1
28 64.5 6.56 129 13.1 122 12.4 109 11.1 180 18.3 161 16.4
30 74 7.53 148 15 140 14.3 125 12.8 207 21 185 18.8
32 84.1 8.58 168 17.1 159 16.3 142 14.5 235 24 210 21.4
34 95 9.68 190 19.3 180 18.3 161 16.4 266 27.1 237 24.2
36 106 10.8 212 21.6 201 20.5 180 18.3 296 30.2 265 27
38 118 12.1 236 24.2 224 22.9 200 20.5 330 33.8 295 30.2
40 131 13.4 262 26.8 248 25.4 222 22.7 366 37.5 327 33.5
42 145 14.7 290 29.4 275 27.9 246 24.9 406 41.1 362 36.7
44 159 16.2 318 32.4 302 30.7 270 27.5 445 45.3 397 40.5
45 166 17 332 34 315 32.3 282 28.9 464 47.6 415 42.5
46 173 17.6 346 35.2 328 33.4 294 29.9 484 49.2 432 44
48 190 19.3 380 38.6 361 36.6 323 32.8 532 54 475 48.2
50 205 21 410 42 389 39.9 348 35.7 574 58.8 512 52.5
モード係数
(角度の係数)
2 1.9 1.7 2.8 2.5

※安全荷重は「計算基礎荷重」に「モード係数」を乗じて求める。
※モード係数:2本吊りの場合…2×cos(α/2)、4本吊りの場合…4×cos(α/2) ここでαは吊り角度(°)

玉掛索の選定と使用

  • 玉掛け用ワイヤロープの安全係数については6以上でなければ使用してはならない。
  • ワイヤロープ1よりの間において素線(フィラ線を除く)の数の10%以上の素線が切断しているもの
  • 直径の減少が公称径の7%を超えるもの
  • キンクしたもの
  • 著しい形くずれ又は腐食があるもの
玉掛索の選定と使用

吊角度

1本吊

1本吊

引掛け結び吊

引掛け結び吊

角当無し吊

角当無し吊

2本吊り

2本吊りワイヤロープ
2本吊りワイヤロープ
2本吊りワイヤロープ

4本吊り

4本吊りワイヤロープ
4本吊りワイヤロープ
4本吊りワイヤロープ